No.022
不燃とドア
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不燃と内装制限
火災が発生した際、部屋の上部に可燃性ガスが溜まり、そのガスが発火温度を超えること
で「フラッシュオーバー」という現象を引き起こすことがあります。『内装制限』とは、
そういった現象の発生を遅らせて避難と消火活動を円滑に行えるよう、建築物の壁や天井
の仕上げ材を不燃材料などの燃えにくい材料にするという規定です。
![フラッシュオーバーと不燃材料による内装制限](../images/zakki/022-2.png)
フラッシュオーバーと不燃材料による内装制限
ただし、ここで言う壁や天井の中には「開口部(ドアや窓も開口部です)」は含まれてい
ませんので、基本的にはドアや窓などの建具に関しては、不燃という概念がありません。
従って、「不燃認定品のドア」というものは存在しないのです。
ドアが不燃である必要性
ただし、排煙設備の設置との関連で、ドアを不燃にすることが「望ましい」とされる場合
があります。
平成12年建設省告示第1436号第四号ハ(4)では、100u以下の居室において室内の内装
仕上げ材や下地を「準不燃または不燃材料」とすることを条件に排煙設備の設置を免除す
る、としています。その際、出入り口のドアについては、ドアの上部に500mm以上(ド
アがドアチェックなどで常時閉鎖となっている場合は300mm以上)の防煙壁を有すること
を条件とし、ドアを不燃性のものとすることが「望ましい」とされています。
また、病院や老人保健施設などの、避難に時間がかかる方が多く存在する場所で各個室の
ドアを不燃性のものにするなど、法規以外に安全面でも不燃のドアを要求されるケースも
あります。
![不燃ドアが望ましいとされる場合の説明図](../images/zakki/022-1.jpg)
ドアを不燃にすることが「望ましい」とされる場合
不燃ドア
「不燃ドア」と聞くと、「不燃認定品のドア」を思い浮かべるかもしれませんが、ドアに
はそもそも不燃認定というものがありません。そのほとんどが「不燃や不燃認定品の材料
を使用して造られるドア」です。それも、不燃認定品を使用しているのはほとんどの場
合、ドアの表面材として使用する木板や、金属と樹脂の複合板、鋼板(後述します)など
を使用しているものです。木製フラッシュドアや軽量スチールドア(いわゆるLSD)
は、芯材として扉の中にハニカム材などを入れているものが多くありますが、それら芯材
に不燃材材料を使用しているかどうかを表示していないケースが多く見受けられます。
サンワイズの不燃仕様のドアに使用している芯材は、断熱が必要な場合は不燃ポリスチレ
ンフォーム(芯材単独で不燃認定品)またはフェノールフォーム(芯材の両面に鋼板を接
着剤で貼り付けたサンドイッチパネルでの不燃認定品)を、断熱が不要な場合はセラミッ
クハニカムを使用しています。
不燃材料
いわゆる「不燃認定品」とは別に、平成12年建設省告示第1400号で不燃材料が定められて
います。
一 コンクリート
二 レンガ
三 瓦
・・ ・・・・
・・ ・・・・
八 鉄鋼
九 アルミニウム
十 金属板
十一 ガラス
十二 モルタル
・・ ・・・・
サンワイズの不燃ドアは、不燃材料であるアルミ形材と金属板、不燃認定品またはそれに
準ずる芯材でできています。
覗き窓に使用するガラスについては、3mmや5mmといった透明のフロートガラスであっ
ても不燃材料として認められています。よく「不燃だから網入りガラスにして欲しい」と
いうご要望を頂くことがありますが、網入りガラスは「防火」に関連した「防火設備」で
使用されるガラスであり、「不燃」という概念にはあまり関係がありません。ただし網入
りガラスは、割れても破片が飛散しないため、安全性が高いと言えます。フロートガラス
と比較すると非常に高価ですが、「ご予算が合うならば」使用する価値はあると言え
ます。