「防火設備」とは、防火戸やドレンチャー(消火設備の一種)など、火災が起きたときに炎が回るのを防ぐための設備の総称です。「防火設備」には、特定防火設備と防火設備の2種類があり、防火戸にも特定防火設備と防火設備があります。
※ここでは防火設備全般を指す場合は「防火設備」と括弧書きで表現し、括弧書きのないものは特定防火設備ではない防火設備を表しています。
- 【特定防火設備】
- 火災の拡大を防止する目的のものであり、防火区画や防火壁の開口部、外壁の開口部、避難階段の出入り口部分などに用いられるものをいいます。
- 【防火設備】
- 主として開口部の延焼防止を目的として、防火区画の一部や外壁の開口部などに用いられるものです。消防法で定められた危険物を扱う部屋にも防火設備を使用します。
「防火設備」は、建築基準法および建築基準法施行令では「政令で定める技術的基準に適合するもので、①国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものまたは②国土交通大臣の認定を受けたものに限る」とされています。具体的には平成12年建設省(現国土交通省)告示で規定されており、法令上は平成12年建設省告示に規定した構造方法で作られた扉や窓であれば、自動的に防火戸として認められるということが言えます。
① 国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの(構造規定品)
上記の平成12年建設省告示規定に沿って作られた扉は、国土交通大臣の認定がなくても「防火設備」として認められます。
② 国土交通大臣の認定を受けたもの(個別認定品)
性能評価機関にて国土交通大臣が定める方法で試験して合格し、認定を受けたものをいいます。下記に例示するような、平成12年建設省告示の構造方法に規定されない仕様が該当します。
【個別認定品の例】
特定防火設備
・窓そのもの
・窓が付く防火戸など
防火設備
・アルミ製の防火戸
・透明ガラスの窓が付く防火戸
・透明ガラスを使用するFIX窓など
※各地域の条例等がある場合は、その条例に従う必要があります。また、法令の解釈は個人によっても見解が分かれる場合があり、詳しくは施工現場を監理する行政機関等への確認が必要です。